きょう、1名のリハ患者さんを終了にして貰った。
まだ、発症から2ヶ月ほどの片麻痺の患者さんだ。
おそらく全失語で、コミュニケーションはとれない。
自発言語もずっと見ていたが、見られなかった。
常に右下方を見ていてすぐ右側のものにつかまってしまう。
こちらの指示はいっこうに伝わらず、
でも、じっとしてはいない。つかまって引っ張ったり、
車いすから抑制されたまま立ち上がろうとしたり、、、
一度担当したとき、一緒に廊下を歩くくらいのレベルであった。
DRに相談したら、終了となった。
ちょっとだけ、ジレンマ。
でも、PTは身体能力を向上させることが最初にある、
だから、この状態ではとてもとても、、、、
以前、練炭自殺未遂でCO2中毒の後遺症患者を診た。
CO2中毒の二次障害で人格の崩壊がおき、
さらに、廃用によりADLが全介助であった。
うちのPT2名で、全介助から立位訓練から初めて、
独歩可能なところまで、回復した。
当初JCS1桁レベルの意識障害もあり、発話も少なかったが、
日常会話を話す程度にまで回復した。(記銘力はほとんどなかったが、)
今回、退院後半年ほど経ってそのケースが、障害者自立支援法の
区分認定審査会にあがってきた(匿名だけれどHISTORYでわかってしまった)
性的行動の問題、記銘力低下などの問題で現在精神科病棟に入院中であるという。
僕たちが、身体能力を向上させてしまったが故に、
十分な認定区分を得ることが出来ず、施設入所が難しいという。
また、ジレンマに陥ってしまった。
果たして身体能力を向上させることが、役に立ったのか。
でも、うちのPT2人でこう話し合った。
全介助から、トイレ動作自立になっただけでも意味はあった。
たしかに、精神機能の向上も目指して、
身体機能向上を目指し、中途半端に終わってしまったのかもしれない、
でも、意味はあったのだと。
ぼくは、PTになってすぐ、精神科の病院に勤めました。
今でもその経験は自分に役立っていて、
どんな患者が来ても、コミュニケーションの面でおそれることはなくなりました。
精神科の患者様こそ、純粋で素直な人たちであることも知りました。
精神科でも、一生懸命身体機能に働きかけて、
患者の行動能力を向上させていきました。
その時決まって、
「精神症状の悪化」という事態をまねきました。
未だに答えはありません。
未だにジレンマなのです。
でも、僕たちには精神症状から働きかけるツールは無いんです。
もちろんそれを無視して取り組んでいるわけではないです。
ただ、とっかかりが身体機能の向上からなのです。
また、精神的なアプローチのノウハウも少ないかもしれません。
はっきり言って難しいです。
posted by ぷーーさん at 19:41|
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