僕は「理学療法士」です。
理学療法士は”リハビリ”の専門職。(ほかに作業療法士、言語聴覚士などが有名です。)
理学療法士は理学療法を行う国家資格です。(理学療法は理学療法士が行うものです。「名称独占」)
『理学療法』は
*物理エネルギー(電気や温水、電磁波など)を用いて患部を治療する
”物理療法”
と
*筋力トレーニングやストレッチングなどを用いる
”運動療法”
から成り立ちます。
主に病院などでは骨折後や脳卒中の後遺症などに悩んでいる方々のリハビリをしています。
ほかに、スポーツトレーナーをなさったり、行政でリハビリの施策を考えたりする方もいらっしゃいます。(病院勤務の方が多いです)
僕は病院臨床一筋で今年で16年目になりました。
収入は決して多い方ではないです。
看護師さんなどとは違い夜勤など行っている理学療法士は少ないですので手当などはつかないし、理学療法を1日にできる人数や、一人あたりの治療の金額も国で定められているので、施設の収入源にはなりにくいなどの事情から、経営者も賃金を上げることはまずないです。
でも、日本の平均くらいの収入はいただいています。
で、
「やりがい」
についてなんですが、
僕は胸を張って「やりがいのある仕事です」と言えます。
リハビリは、患者とマンツーマンで、呼吸を合わせながら行うのが基本ですし、補装具や自助具、車いすのオーダーから、家屋改造の相談。
健康増進の相談(講師とかもします。)
患者と一対一の関係が築けるから、
すごく親身になれるし、
普段治療がうまくいかないと、気になって眠れないときもありました、
人間って「自分以外のため」の方が一生懸命になれたりしませんか?
今まで見ず知らずの出会った人の心身の状態を心配しながら、奔走して
いる自分にとても「人として生まれたことの喜び」を感じ、とても充実感があります。
思えば学生時代の実習の時にも先輩方からそれを見せられていたように思います。
たとえば、小児の施設で指導してくれた先輩の先生は、
「自分が実習生だった頃、担当した患者さんに十分な治療ができなかったことがあまりに申し訳なく感じて、その患者の家まで行ってリハビリしてきた」
なんて話をしていました。
脳外科の病院での実習では、
退院間近のおじいちゃんの足の装具をどういうものにしたらいいか、
とにかく悩みまくっていたときに先輩の先生が
「やっと理学療法士らしい仕事の姿になってきたな」
っていってくれて、
仕事はこういう風にするものなんだと感じました。
いまでも、治療がうまく進んだり、患者さんの体によくフィットした車いすが完成したときなどは、心が震えるのを感じます。
はじめは何の仕事かも知らずに学んだ落ちこぼれ生徒でしたが、
いまとなっては、
「天職かも?」
なんて考えたりもします。
有り難いたいことです。