釧路地域リハビリテーション広域支援センター主催の研修会が行われた。
テーマは「脳卒中地域連携パス導入」についての内容であった。
今年4月からの診療報酬改定で、従来の大腿骨頸部骨折の地域連携パスが、脳卒中にまで報酬の枠が広げられた、
釧路地域も今年ようやっといくつかの病院から、地域連携パス研究会
発足の声が聞かれはじめた。
もちろん、パスが報酬化されたから目立って動きが出始めたのではあるが、
厚労省の本当のねらいは、共通の評価基準、様式をもつことによって、
急性期から回復期、慢性維持期に至るまで、シームレスに
連携が行われ、ひいては在院日数の短縮、
在宅に復帰できる対象者を増やしていくなどのねらいがあるし、
よくやるパターンで、まずは「報酬」という形で誘導して
形が整ってきたところで、報酬は順次無くしていくというパターンであろう。
昨年12月に釧路地域連携パス研究会が発足し、基調講演の内容を
当方のブログで紹介した。
パスの実施にはパソコンの導入が必須であり、
セキュリティーも考えると安価に作っても急性期の計画病院で、
数百万以上、提携する回復期病院でも100万程度の出費が
必要な計算であった。
これは、システムの開発を外注した場合である。
今回、札幌市での「脳卒中の連携パス」導入の
経緯から内容について解説していただいた。
コンセプトは....
・ゼロから作るには時間も手間もかかりすぎるから、あるものを改変して作っていこう、
・各施設には最低限パソコンはあるだから、マイクロソフトの表計算ソフトエクセルで作ってみよう。
・データーのやりとりは、メールまたはUSBメモリで、セキュリティーにはパスワードをかけることで解決しよう
と、こんな感じで
手稲K病院のPT(母校の先輩です)が延べ1500時間の時間を要し、
EXCELのVBAマクロで、それを作ってしまいました。
現場にいる人間が作ったので、実にわかりやすい。
入力は、それぞれの職種ごとに入力するようになっているので、
仕事が分担でき、特定の一人に作業が集積しない
また対話形式で進んでいくので、
入力に悩むことがない。
データの保守は、一つの病院のみで抱え込むのではなく、
いくつかの病院のDRの組織体が管理することになっているので、
計画病院(急性期病院)が複数:回復期病院が複数
の関係であっても、データーを利用可能である。
すでに、多くの病院が名乗りを上げてすでに利用が始まっているとのこと、
「絶対これがいい」と思いました。
なんせ、導入に当たってコストが全くかからないんです。
セキュリティもパスワードで施設ごとの人間との信頼関係で
扱えばいいわけです。(データを貰ったらネットにつながっているPCからはデータをのこさないようにすればいいです、送信側と受信側の責任で、)
だけれど、思いました。
これだけのソフトですから、著作権で守るべきだと、
このソフトをちょっと改変して商用にされたりしたら
大変ですもの、
といいつつ、早速データを貰う約束をして来ちゃいました。
これが、病院と病院、さらには患者と病院、福祉と病院
の、格差をなくす手段になってくれれば
「言うこと無しですね。」
知れないけど、患者さんにとっても
流れが把握できるし、看護者にとっても
メリットは大きいと思う。。。
ただバリアンスが発生したときの対処法に
ついてしっかりしてもらいたい件はあるけど。
パスもリハ関係とうまく連動できたら
いいのに。。。と思ったよ。
札幌市はすでに大きな動きとなってきていますので、
モデルケースとして、機能していくと希望的ですね。
先輩も全国に広げたいとおっしゃっています。